悪意か、無知か

福岡・佐賀で「ワンダーランド」というパチンコ屋を展開するグループの新店舗CMに、威勢のいいというか大仰というか、豪華な響きを持つクラシックの大曲が使われている。

聞くものを圧倒するトゥッティ(全楽器合奏)のヒット4発!
大音量で咆哮するトロンボーン・ホルン!
高速タンギングで迫り来るトランペット!
恐るべきスピードで駆け上がり駆け下りる弦楽器!
めらめらと燃える火焔のようなフルート・ピッコロのパッセージ!
そこへ響き渡るソプラノ・テナーの断末魔の絶叫!
そして地獄へと身もだえしながら駆け下りるアルトとベース!

これはまぎれもなく、







ヴェルディ『レクイエム』第二曲
「怒りの日(Dies Irae)」




ではないですかっ(笑)

ご存知の通り『レクイエム』とはキリスト教カトリック)の葬式の音楽であるが、このヴェルディの「怒りの日」は、中学生が次々と死んでいくかの悪名高い映画『バトル・ロワイアル』でも使われている不吉極まりない曲である。新店舗開店のCMに葬式の音楽を使うとはなんたる無知。それともCMプロデューサの悪意か。単にかっこよければ葬式ミュージックでも何でもいいということか。あるいは客をカモにして一人残らず首を吊らせようとの店の姿勢を表現したものか。

まあ、僕は政治的な理由でパチンコには絶対行かない(大きくてきれいなトイレだと思っている)からどうでもいいんだけど、まさか店の中でまでレクイエム流してるなんてことはねえだろうな。