家族

♪ 誰かを愛したその時から 家族の意味さえ変わってしまう

http://www.youtube.com/watch?v=L92mRc4sBPA
(2分31秒〜2分49秒)

槇原敬之の初期の名曲「北風」の一節。
槇原さん自身の現在は置いとくとして、実に味わい深い一節だと思う。
実際に結婚を境に、「家族の意味」は変わってしまった。

結婚するまでは「家族」と言えば両親、祖父母と妹まで、つまり僕の世代が一番下だった。

でも結婚すると、「家族」は僕と妻、そしてこれから生まれるだろう子供たちを指すようになった。
つまり、僕の世代が一番上になった。

これまで生きてこられたこと、自分があったのは、親や先祖のおかげ。
それは痛いほどわかっている。
それなりの恩返しはしてきたし、これからもするつもりだ。
しかし、ようやく遅まきながら自分の家庭を持つことができた今、
自分の家庭の財政その他を逼迫寸前に追い込んでまで恩返しを続ける必要があるだろうか?

独身の頃に、実家を建て直そうとしたことがある。
しかし実家の土地建物の権利についてはいまだに曾祖父の名義となっていて(つまりきちんと相続をしていない)
母と叔父(いちおう我が家系の当主のはずだが、別の土地に住み子供もいないので、我が家系はここで断絶している)
との間で醜い骨肉の争いとなっている。
母が相続できなければ建て直せないので、土地の取得まで含めて計画したが、
出戻った妹とその子の分までの部屋を確保した(ほぼ三世帯住宅)結果、月25万円の35年ローンとなった。
一か月後の土地の契約日にバックれ、そのあと泣いて全てをキャンセルした。
そんな大きな借金を背負ったままでは自分が結婚できない。生活もできるかどうか。
住宅メーカーの人にも、これで家を建てても何ら楽しいビジョンが浮かばないと訴えた。
次の世代につなげなくて何が家族だ。

就職してから、実家へは月10万円の仕送りをしている。総額では800万を超えた。
実家は海外旅行を計画していた(スケジュールが合わず断念したようだが)。
ということは減額しても大丈夫だということだ。

結婚するまでは嫁をちやほやするようなことを言っていたが、
結婚すると「うちの家に嫁に来た」という言い方になった。
まるでハシタメ(婢)のような言いぐさである。
嫁と話したいから、とやたらと実家に呼び寄せようとするくせに、嫁とはとくに話をしない。妹もそっけない。
嫁からすれば、会話のないところに1〜2泊するわけだから、耐え難い苦痛だろう。
それで嫁の実家に泊まろうとするといちゃもんをつけてくる。

母が目が悪くなり、妹も衛生観念いまいち、猫たちが我が物顔で跋扈するので、
実家はとても不潔で、僕でさえ泊まるのに躊躇するのに、
きれい好きの嫁の気持ちは察するに余りある。
先日実家に帰った時には、玄関はゴミだらけ(台風の後ではあったが)、
風呂もカビで真っ黒だった。
実家に帰ってから掃除ばかりしていた。
いつも風呂掃除をしている妹としては非常に気に入らなかったらしいが、
あんな黒い風呂に入れるか。

一人の時はまだしも、二人で実家に帰るとなると往復10万かかる。
7月も9月も帰ったので、結構な散財だ。
もう来春ぐらいまで帰らない。

来春は、仕事を変えるつもりだ。
それについても母は文句を言ってきた。
40になろうとしている男が自分の責任で転職すると言っているのに、ごちゃごちゃうるせえ。
転職先は、現在の場所よりは近いが、実家からは軽く3時間かかる。
そう簡単に帰ってやるもんか。
転職先が気に入ったら、そこに家を建てようかとも思っている。
実家なんか知るか。
朽ちるまで建っていればいいさ。
仏壇?
知らんわ。
そもそもうちは叔父の代で断絶しとるのだ。
こっちに残っているから仕方なく墓を守っていただけで。

実家は不潔で、
義務ばかりを押し付け、
カネを貢いでも感謝の言葉もなく、
自分の側に関心が向かなくなるとぎゃあぎゃあ言い、
仕事を変えるという個人的なこと(いわば内政)に干渉してくる。

家族?
それ、どこの韓国ですか?


僕は、妻と、これから生まれてくるであろう子供たちを大切にしたい。