おお、長いことほったらかしてしまった。

まーこの間、風邪は引くわ、実験は失敗を重ねるわ、町内会のどぶ掃除に出て転倒して膝を負傷して歩けないわで、実に幸せな日々でした(笑)

何よりも幸せだったのはイヴァン・リンスの新譜が出ていたことですな。「Cantando Historia」というライブ盤で、59歳のイヴァンが楽しそうに歌う歌う!声を聞くだけで楽しそうだ。きっとおととしのライブで見たようなあんなビッグスマイルで歌ってるんだろうな、と思ったらDVDも出とるじゃあなかですか!買いましたよ、曲目かぶってても。そしたらイヴァンがあのビッグスマイルで気持ちよさそうに歌う歌う!もう、幸せです。

「粋な男」カエターノ・ヴェローゾのライブ盤も買ってみた。こっちもすばらしい。イヴァンはピアニストだが、カエターノはギタリストで、バンドメンバーも従えてはいるがギター一本で歌う曲も多かった。そして観客がカエターノと一緒に大熱唱!ブラジルのライブというのはこうらしいと聞いていたが、やっぱりすごい熱気を感じる。もっとも僕はどのライブに行っても歌える曲は歌っているが。ただ、歌いだして10秒間くらいは指笛だの歓声だのを上げまくって、肝心の歌をかき消す勢いである。ジョアン・ジルベルトが日本に来て「理想的な観客」と絶賛したそうだが、彼は数日バスルームにこもってボサノヴァ・ギターの奏法を完成させたほどの変人だそうだから、自分の演奏を静かに聞いてくれる観客が好きなのだろう。カエターノは観客と一緒に楽しそうに歌っている。観客が一緒に歌えるようにフェイク(即興でメロディーを変えること)もいれない。これも彼のスタイルなのだろう。

イヴァンのライブ盤は衛星テレビ局の企画で行われたものらしく、観客はいかにも「テレビ番組のスタジオ観覧者」といった風情である。だからどうしてもカエターノの観客よりは抑制が効いていて、いささか寂しげでもある。それでもいくつかの曲では、観客の熱唱を聞くこともできた。

お風呂入りたい……(涙)